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2013.08.07
祈る朝

昭和20年8月6日8時15分 広島 (原爆ドーム)

昭和20年8月9日11時02分 長崎 (平和祈念像)
蝉時雨 深く眼を閉じ
祈る朝
戻らぬ日々は 彼岸の彼方
あの日の僕はどこまでも澄んだ青空を見上げていたんだ。
ゆらりゆらと落下傘にぶら下がり、落ちてくる鉄の塊を眺めていたんだよ。
すると眩いばかりの光が弾け、僕の体はなにもかも消え失せてしまった。
今はコンクリートの壁にへばり付いた影が、僕が生きていた証なのさ。
テレビのニュースを見ていたら、偉い人が、偉そうなことを、偉そうに話している。
「ねえ、また戦争が始まるのかな」と、 それを見ていた彼女が不安げに言った。
「うん、ひょっとしたらそうなるかも知れないね」と、 明日の仕事を気にしつつ僕は応える。
何処かの国の、何処かの出来事のように、何処かで仕入れた知識を、わけ知り顔で語り合う。
どうかお願い。
あの瞬間の僕の姿を探してみて。
目まぐるしく過ぎ去る歳月の中に、くすみ色褪せてゆく黒い染みを。
小学生だった僕は、今でもここでこうして生きているから。
![images[3]](http://blog-imgs-57.fc2.com/m/i/r/miroku0922/20130807223410006.jpg)
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