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2012.11.12 音を数えつ
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雨だれの
  音を数えつ
    雨やどり

 
 一年が過ぎゆくのは早いもので、今年最初の忘年会が週末にあった。
 二次会まで付き合い、カラオケを2曲ほど歌いきりあげる。
 珍しくさほどの深酒にはならず、少し歩きたい気分で、夜道をてくてくと散策しながら家路につくことにした。

 ところが、どこをどう間違ったのか、すっかり方向感覚を見失い、遂には見知らぬ通りを行ったり戻ったりの迷路状態に陥ってしまった。
 幸いにも11月にしてはずいぶんと暖かな夜であったが、あいにく小雨が降り出してきた。
 
 辺りは深夜の住宅街の中。
 道を尋ねようにもひとっこひとりいない。
 急ぎ足でタクシーを捜そうと先を急げば、目の前になまこ塀が続く路地が現れた。

 そのまましばらく行くと、両側に厳めしい顔をした仁王像が並ぶ寺の山門があり、ちょうど扉が開かれている。
 その構えがあまりにも立派なので、つい吸い込まれるように境内に立ち入ってしまった。
 すると好都合にも、すぐ脇には無人のお堂があるではないか。

 雨が少しおさまるまでの雨宿りと、縁に腰かけ暗闇にしたたり落ちる銀の雫をながめていた。
 耳の奥底にそっと響く優しい雨音である。
 そのうちに酔いも手伝い、ついうとうとと寝入ってしまった。

 雨というものをこんなに身近に感じたのは、いつ以来であろうか。
 なんだかもう随分と昔のことのように懐かしく感じられてしかたない。 


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 さて余談ながら、翌朝あの寺のことが気になり、地図を片手に車を走らせてみることにしたのだ。
 たどたどしい記憶をもとに探してみれば、案外にも簡単に見つけられた。
 それはあの寺が、この地方を治めていた、大村家の菩提寺であったからである。
 どうりで立派なはずだ・・・。

 昨夜雨宿りをさせてもらったお堂の裏手には、代々の大村一族の墓石が豪壮に並ぶ。
 その圧倒するような威圧感に、かつてキリシタン大名であった大村藩が、幕府に対して
棄教したことを痛烈に訴えてかけているかのようであった。



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