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 何故か無性にうどんというものを喰いたくなる時がある。
 それも思いがけなく、突然に・・・
 「喰いたい」
 その切なき思いは胃の腑を無数の触手でからめとり、もはや饐えはじめたこの脳みそまでもこれでもかと捏ねくり回すのである。
 例えばだ、それが宿酔の苦悶の末にようやく訪れた安息であれば尚更に、酷使され続けた肝臓は胃に温かで優しく、しかも旨みのある出汁を欲して止まぬのである。
 
 そう、九州を代表とする麺と言えば、間違いなく誰もが豚骨ラーメンを思い浮かべるはずだ。
 しかしそんなものばかり食べていたら、ギトギト背脂で間違いなく中性脂肪の数値は高まり、いずれは糖尿病など成人病の巣窟の体になりかねない。
 ところで博多はうどんのメッカでもあり、地元ではラーメンよりもこちらの方がよく食されるような気がする。
 その証拠に福岡が成人病の死亡率ナンバーワンなどと、決して不名誉な事はありえない。

 さて、最近では香川県が「うどん県」なるものを名乗っているが、国内におけるうどんの発祥は鎌倉時代まで溯り、宋より帰国した聖一国師が製粉技術と共に広められたとされる。
 事実、中世の遺跡を発掘していると、擂鉢や捏鉢などその前まで存在しなかった新たな調理器具が目立つ傾向がみてとれるから面白い。
 やがてそれは長い時をかけて、洗練され豊かな和食文化を醸造し、いまや世界遺産の候補にまで取り上げられたのはまだ記憶に新しいはずだ。
 その大恩人である聖一国師を讃え、博多区の承天寺には発祥を記念する碑が境内の隅にではあるが、堂々たる格好で建っている。
 つまり博多こそがうどんの国なのである。
 
うどん発祥の碑convert_20130611101812
左が「饂飩(うどん)・蕎麦発祥之地の碑」、中央が「御饅頭所の碑」で、羊羹や饅頭もといった和菓子のルーツともなるものも同時に伝えられたのである


 まあ小難しいウンチクはここまでにして、福岡県内にうどん屋たくさんあれども、私は迷うことなく「牧のうどん」派である。
 通の間では「マッキ―」などとも呼ばれているらしい。
 この本店は福岡市とは西隣の糸島市にあり、ここを中心にして半径50km圏内に20店舗が国道沿いなど交通の便利な箇所に立地している。
 これにはちゃんとした理由があり、出汁だけは本店のみで作るこだわりさで、ここから毎日配送しなければならぬため、自ずと距離と立地には条件が伴うのだ。
 そうしたことから旨いにも関わらず、広範囲に展開できぬ限界がある。

 しかしながら麺は各店舗の調理場内に設置された製麺機で作られる。そして自動麺切り機で形を整えられたうどんは、事前に茹でて水しめ(ぬめりを取るため)されることなく、ベルトコンベアーで茹釜に直接送られる。
 つまり通常のうどんと比べ、工程がひとつ欠けた特殊な製麺方法なのである。
だから注文してものの数分で、どんぶりがテーブルに届けられる。


蜀咏悄+(20)_convert_20130823085454
注文票には軟めん、普通、硬めんで茹で加減を選べ、赤鉛筆で正の字を書いて店員に注文するのだ


蜀咏悄+(19)_convert_20130823085358
 やはり福岡は〝ごぼ天うどん〟が定番で、出汁を浸して食すとこれが最高なのです


 とにかく早い。
 にも関わらず旨い。
 だからと言ってのんびり味わって食べていようものなら、麺は出汁をどんどん吸い込み見た目の量がなかなか減らない。
 いやいや、減らないどころか増えていくのだ。
 だから傍らには常に、やかんに入った出汁も一緒にドンと店員が置いてゆく。

 ・・・と言う話をである、先日、結婚式の二次会で新婦の友人の美女数人に囲まれ、つい調子にのり熱くうどんを語っていたところ冷めた目でみられてしまった。
 そして牧のうどんに対し純粋に理解が得られなかったせいか、それとも素敵な女性に相手にしてもらえなかった哀しさか、よく分からぬ複雑な思いをのまま、冬の夜空に打ちあがる花火をひとり見上げねばならなかった。
(※当日の披露宴の行われたハウステンボスでは、幸運にもスペシャルイベントと重なり花火も観れたのであります)


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