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     クレパスで
       空に描いた
         幼き日


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 ねえ、君が虹を初めてみたのはいつの頃だった?
 僕はね確か小学校に入って間もなくであったように記憶している。
 その虹は雨上がりの校庭でのことだった。
 体育の授業の最中、直ぐ近くの丘に、小さくも鮮やかな色彩を放ちとても眩かった。
 小さな田舎町の、そのまた山の奥にある、まだ机を並べたばかりの名前も覚えきれぬ級友らは大はしゃぎ。
 むろん僕も興奮した。

 そして近くにいた誰かが言った。
 「あの虹の麓にはお宝が眠っているんだ」
 宝が何だかはうまく理解できなかったが、とにかく心が躍ってしかたなかったんだ。
 「掘りにいこう」
 だが無垢なる衝動は、担任である若い女の先生の号令で儚くもかき消された。
 「せいれ~つ」
 ピッ、ピィーッと甲高い笛がなる。

 それからだいぶ経って、そう大人になって再び感動的な虹をみたんだ。
 太平洋のど真ん中の周囲には丘ひとつない、いや自分がたつ無人島以外は島影ひとつない大海原でだ。
 虹は一瞬目の前から消えたかと思うと、二重、三重、いやいや五重、六重と見事なアーチを次々と形作った。
 束の間のスコールの中、泡だらけのシャンプー頭から垂れ落ちる雫は、懸命に見開き見ようとする目にしみた。

 その無人島には日本の基礎文化を構築する、第三のルートを確認しようと上陸していた。
 大陸から朝鮮半島を経る源流、黒潮文化により東南アジアから沖縄を経て本土に伝わるもの、そしてポリネシアから北上する細々たる三番目の海の道。
 いつかのあの虹に導かれ、船に揺れて揺られ、夢を求め丸二日間もかけてたどり着いた果て。
 そこで二度目の感動的な虹をみた。

 それからまた随分と月日が流れた。
 おかしなもので今度の虹も掘っている合間の出来事であった。
 目の前に架かる小さくても鮮やかな虹。
 いま掘っている弥生の人々が眠る遺跡の根元から、見事な七色の光が架かった。
 「ここに夢と言う名のお宝が眠っている」
 子供の頃から探し求めていたものが、きっとそこにあるはず。
 そう思えてしかたない。
 だからみんなにもどうか同じように、心はずむ虹を見上げて欲しいんだ。


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