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2012.04.25 里の春
里の春・_convert_20120425225642

 国東半島は山の中。豊後水道にたんこぶみたいにとび出た、中央に小高い山を頂く地形だ。
天気の良い日には四国も見渡せる。
 この山里には多くの寺がひっそりと佇んでいる。いたる場所で断崖に仏の姿が刻まれ、長年の
風雪に耐えてきた風情が辺りを包みこむ。古くは厳しい修行を重ねる、修験僧が籠った聖なる地
なのである。
 しかし、面白いことに鬼も同居する。奇祭といわれるケべス祭りは、鬼に扮した地元の人が
松明を抱え見物する人々に火の粉を降り散らす。
 仕事の合間にふらりと訪れた寺の奥には、その祭りで使われる大きな松明が積み上げられていた。
いつか機会があれば見物してみたいものだ。
 さて、この仏と鬼の住む町の小さな蕎麦屋で、お昼をとることにした。10人ほど先客がいて、
その注文をおばあちゃん二人が厨房の奥でばたばた忙しなく追われている。しかし手よりも口の方
がよく動くようで明るい笑い声が絶えない。そしていつまでたっても先客の蕎麦が出てくる気配が
ない。
 こちらも席に着いたはいいが、なかなか注文さえも取りに来てもらえず、忘れられたのかなと少々
不安になりだした頃、ようやくお盆にお茶をのせてやってきた。
 山里にはゆったりとした時間が流れている。

「水ぬるむ 若葉萌えいで 里の春 鬼も暮らせば 仏も住まう」
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